セルフビルド 自分の家を自分で造る
「セルフビルド」でいい足りなかったことを中心に詳細を紹介します
場所探しから基礎工事まで
福島県会津、栃木、群馬、埼玉、神奈川、千葉を百ヶ所近く見て回りました。その間何度も諦めたことがありました。そして現在の場所にきまったのですが、一瞬で気に入り、あっという間に決まりました。。巡り合わせとはこんなものかなと思いました。
地目は畑、こんにゃくなどを作っていた耕作放棄地です。宅地に転用するために農業委員会に申請する必要があります。その後傾斜地なのと進入路を造るために造成しなければなりません。これまでで一年半、さらに土が落ち着くのを待って一年、着工まで二年半です。
私は給与所得者なので、工事ができるのは毎週末と夏、冬などの長期休暇だけです。その間は雨が降っても台風が来ても何もできません。従って屋根と防水工事までは短期間でやるためにはどうしても地元のプロに頼むほかはありません。そのようなわけで私のセルフビルドは、半セルフビルドということになります。勤め人にはこれがよい方法と思います。
いよいよ自分で工事 期待と不安 素人大工の出番だ
外壁は周りの自然との調和を考えてカラマツの板張りとし、キシラデコール塗装をすることにした。下から張ってゆくのだが、4面の壁に対してずれが生じないようにするために、角ごとに墨で何段目かごとにマークを入れた。また、板は長尺ものなので一方を支えないと仕事ができない。そのために図のような治具を作って保持するようにした。
外壁の一番下に水切りの鉄板を付けます。
コーナーはこんな風に仕上げますがネットを調べるといろんな解説があります。
はじめてのことなので何事も慎重です。こんなものを作って誤りなきを期しました。慣れれば直接カット
写真は外壁が軒に接する一番上の防水紙と外壁との隙間に虫除けのため網戸の網を丸めてシーラーで固定した。一番下も下から虫が入らないようにしてある。この隙間は換気のために重要なものだと思います。
近所の土建屋さんが、足場は金がかかるからと思ったのか3mの脚立を貸してくれました。これに足場板を渡して高所作業をしました。一人で作業すると上り下りの回数は膨大になります。安全帯とヘルメットは欠かしませんでした。
根太を渡し、床下断熱材(発泡スチロール製)をつめる。その上を12mm合板の荒床を張る。和室は杉板だが畳の厚みが60mmで洋間や廊下は床板12mmなので図のように床づくりに違いが生ずる。
和室の押し入れの床は仕上げの床材の上端と敷居、畳の上端とを一致させるように工夫する。(私は敷居が1ミリ高くなるようにした)
壁の下地を作る。カウンターキッチンにするので開口部のある壁にする。
同じ壁のレンジフードを付ける部分にカタログ図面にあるように壁を補強する
和室の壁は柱を表面に出すので、洋間の大壁よりも壁の厚さが薄くなる。その分間柱も幅の狭いものにしなければならない。間柱の間に横木が見えるのは、将来壁掛けTVを付けるため。
サッシを入れたところに窓台を付ける。内装材は銘木屋の友人からもらったものが使えるので大変助かった。これはケヤキ正目の窓台。ちょっと贅沢かも。
玄関周りの工事、ここは居間に通じる引き戸を納めるために壁の厚さが半分の半壁が乗るところ。プロはどうするか知らないが壁を乗せるための台を刻んだところ。
上がり框を大引やボルト合わせて収まるように刻んだところ。
まずうまく収まって一安心。これももらい物だが、栃の木目が美しい。ここには黒檀や栃がよく使われるようだ。
玄関脇の半壁、細い寸法で作るので補強に横材を入れた。
玄関の床を張る。ケヤキの一枚板。といってもこれはかなり古い床の間に使っていた中古材で反りをとって裏に反り止めの吸い付きを付けた。
ついでなので,この写真にある断熱材だが、断熱材のポリエチレンの耳の部分を間柱を覆うように付けた。これはある施工説明書に書いてあると通りにやったのだが、これをやり直すことになり、止めたタッカーを全部はずしてやり直した。
それは、間柱を隠してしまうとこの後の壁板を張りときに、石膏ボードをはるのではなく、木の板を張るのでボンドが着かなくなってしまうのだ。大失敗で時間と手間をだいぶロスした。
深すぎる玄関の床を40センチくらい埋める。
もらい物のタイルを敷く。垂直部分はコンクリート用エポキシ接着剤で固定し、床部分はセメントをゆるく溶いたノロを伸ばし隙間ができないようにタイルを置いた。最後に目地セメントで仕上げた。初めてのタイル工事だったがうまくいったようだ。もちろん手前側に傾斜を付けて水がはけるようにした。
壁が終わったら天井を貼るためと電気工事の配線をするために野渕を打つ。中央を少し高くするようにすると見かけがいいらしい。
電気工事の参考のために照明配線の複線図を下に示しておく。この図面を作っておけば素人でも接続を間違えないだろう。(プロはこんなもの書かないだろうがこの方が安心)ちなみに電気工事が終わると、通電する前に電気保安協会から検査に来るのだが問題なく検査を通った。
次は床張りです。床は赤松の塗装材、好んで塗装材を使うわけではなくやむを得なく‥。塗装材はやはり剥げてくるからだ。
廊下の右は和室、ここの敷居を付けないと先に進めない。
和室の鴨居、左が障子、右がふすま、障子がふすまにぶつからないように溝を止めている。一間の障子だが一間半の敷居と鴨居を付け、半間の壁に二枚の障子を納めて、開口部を一間分確保しようというのだ。
柱と柱の間には溝のない一間の敷居を入れ、その右側に一間半の溝のある敷居を入れる。
キッチンと居間通しの床を張る。床下収納庫の部分はふたに木目が連続するようにカットしなければいけない。途中の柱はキッチンの入り口、戸は入れないが框(枠)を取り付ける。
枠の加工。ケーシングが付くので断面が複雑になるが手間は思うほどではない。
加工の終わった枠
枠を取り付けたところ。
トイレの入り口。ドアの寸法に合わせて下地になる框を付ける。幅調整用に縦枠と柱の間に何個かのスペーサーが見える。
洋間入り口の引き戸が収まる半壁。ここの半壁は玄関から居間に通じる半壁よりさらに厚さが薄いので(隣が和室だから)強度を出すために横材で補強する。
ドアなどの建具には施主用の説明書と施工用の取り付け説明書がついている。そこに細かく施工法が記載されている。
加工のすべては屋外、雪が降ればまず除雪をしてそれから仕事。よくこんなところで狂いのない仕事ができたといまでは思う
トリマー作業は同じ厚さのテストピースで必ずテストをしてから本番を
組み立ては室内に段ボールや合板を敷いて作業場にする。
直角を出すのはいつも対角線を測って修正した
底板を付ければ引き出しの完成
扉の材料作り。手前の二つの工具で板の直線、直角、厚さをきめる。大量に出るかんなくずは完熟させて堆肥に使う
角ノミがないのでビスケットで接着
鏡板を加工
細い角材を大量に作って裏側から鏡板を固定
蝶番の施工図面に従ってテストをする。穴の位置など修正点がないか確認
テストをすれば安心して本体の加工ができる