神社仏閣を訪ねる趣味があるわけではないのですが、建築物としては大いに関心があります。自宅から近いこの応永寺の山門は、田舎のお寺としては立派な山門ではないかと思います。しかし、文化財としての指定はされていないようです。岩島駅の東にあります。
お寺の縁起も記されていないので詳しいことは、何も判りません。ただ数年前にこのお寺を訪ねたとき、たまたま住職さんにお会いして少し話を聞きました。立派なお寺と山門ですね。という話から、ここは麻と蚕がありましたから、比較的豊かだったのではないか。というお話でした。山門の装飾的なものからそんなに古くはないのかなと思います。
山門の前に立つと左右に仁王像が立っています。右に大きく口を開いた阿形
左に口を閉じた吽形
阿吽の発音通りの金剛力士像です。
左右に金剛力士像がいて真ん中が通路です。
したがって前面には4本の柱があります。
それが、真ん中と後ろにも4本づつ合計12本の柱があって、
最初の写真のようになっています。
山門が6つに仕切られているようになっています。
それぞれに天井があって、4つの角の天井には天女が描かれています。
琵琶を持った天女で鳥の羽と尾羽があります。鳳凰でしょうか。
これも同じパターンの天女ですが鳥の脚があって、
持った楽器はデンデン太鼓のような鼓です。
真ん中の通路の天井はモノクロで龍が描かれています。
後ろの3つにも。
通路には龍
後ろの天女には羽がなく横笛
こちらは笙を持っているよう
どうです?なかなか立派ですね。
外観を見てみましょう。
1階部分の屋根を支えている四隅の柱の上には大きな軒を支えるために腕が3段にもなって伸びています。
三手先(みてさき)といいます。腕のことを肘木(ひじき)といいます。肘木の先にある四角の材料は
上にある肘木を支える斗(と、あるいは、ます)といいます。斗はよく見るとそこいらじゅうにあります。
この写真だけでも13個もあります。全部上の材料を支えるものです。一般住宅には在りませんね。
獅子の彫り物は柱を突き抜けてきた横材の先端を彫って飾りにしたもので、
雲のようなデザインが一般的です。木鼻(きばな)といいます。
この写真の木鼻は雲の形です。45度の隅木の下の龍の彫り物は、軒を支える斗きょうの肘木の先端を加工したものでしょう。
柱と柱の中間で加重を支えるのを中備(なかぞえ)とか、間斗束(けんとづか)といいますが、
それに装飾をくわえたものが4面の小壁にあります。
うさぎと笹でしょうか。
ふくろうと小鳥
熊と鯉とソテツ?大黒様?
りす?とブドウ
鷹と松立派な山門でした。
飽きるのでこのくらいに‥
石組みも立派でしたが、機会があったら続きを‥