数日前に志賀高原と湯の丸高原を孫と歩いてきました。志賀高原は四十八池までの往復のつもりでしたが、帰路は志賀山越えのコースを取りました。4歳の孫には道が悪く孫の母親である娘にコース選択が悪いとしかられました。それでも大人の心配をよそに最後まで元気に歩いてくれたので孫には感謝でした。四十八池では美しい池とそこに映る景色が別天地のようでした。
高原の入口にある渋池です。食虫植物のモウセンゴケがたくさんありましたが、一番は水面に映る緑の林です。
四十八池にはトンボのヤンマがたくさん飛んでいます。素早く飛ぶヤンマを追って何度か当てずっぽうにシャッターを切りました。偶然その中の一枚がオオルリボシヤンマの産卵を捕らえていました。水草のヒルムシロに止まって尾を水中に入れて産卵しています。トンボは種によって産卵の仕方が異なります。植物体の中や表面に産卵したり、空中から水面や地面に撒くものもあるようです。オオルリボシヤンマは静水の水中に産卵します。この性質は自然環境が変わってもトンボは変えられないので、オオルリボシヤンマは何かの理由で池がなくなって流水の川だけになってしまったら、もうそこには生息できなくなってしまうのです。
四十八池に映る志賀山。右が裏志賀山で山頂からエメラルドグリーンの大沼が見下ろせる。左が志賀山。
翌日は湯ノ丸の池ノ平湿原を歩きました。ここは三方ヶ峰の噴火口です。歩き始めると日がかげり寒いくらいになってきました。
三方ヶ峰への途中でツリガネニンジンの白い個体を見つけました。アルビノはいわゆる白っこで動物にも植物にもときたま現れる突然変異の一種です。アカツメクサやクロユリのアルビノに出会ったら戸惑うでしょうね。写真家の田淵行男はアルビノの探索に熱中した一人です。(田淵行男著「黄色いテント」ヤマケイ文庫)
ベニヒカゲ、何枚か写真を撮りましたが全部ピンぼけでした!準絶滅危惧種(本州)、群馬県、長野県の天然記念物。
ウメバチソウ、あちこちにたくさん咲いていました。よく見るととても変わった花の構造をしていてしかも美しいのです。拡大した写真がないのが残念です。中央の大きなかたまりが雌しべを付けた子房で、ここに種ができます。その周囲にある細い糸の先端に小さな丸いものが付いたのが仮の雄しべで、本物の雄しべはこの写真ではほとんど判りません。来シーズンには拡大した写真を撮りたいと思います。 ウメバチソウはユキノシタ科でしたが新しくDNAにより木本のニシキギ科に分類されました。