いまヤグルマギクが最盛期です。ヤグルマギクといえば青い花を思い浮かべます。子供の頃からなじみ深い花なので懐かしく思う人も多いようです。ご近所の老婦人も特に青いヤグルマギクが大好きだと言います。ヨーロッパ原産の花ですが日本には明治のはじめ頃に入ってきたようです。白やピンク、濃い紫などいろいろな色がありますが、原種は青色だそうです。種名はCyanus(シアヌス?)といい、シアンの意味で花色に由来しています。
この青いヤグルマギクはもともと麦畑に混じる雑草であったようです。これが進入した麦畑では麦の収量が5割~9割も減収になったというから驚きです。昔のヨーロッパの農家では厄介者というより敵だったかも知れません。
花の色や形は千差万別でそれぞれ個性的ですが、ここに取り上げたヤグルマギクもとても個性的な花なのです。キク科の花はおしなべて花びらは舌状花で花のぐるりを縁取っています。しかしヤグルマギクはここがラッパのような筒状花なのです。花びらの一つ一つがもう一つの花のような構造になっているのです。

さらによく見ると花の中心部分にもたくさんの小さな筒状花がぎっしりとかたまっています。ヤグルマギクは筒状花からできた花なのでした。
中心の筒状花のすぐ外側をめしべが並んで中心に近いところにはちょっと太めの雄しべが突き出ています。
ところが、たくさんの花の中には変わったものも出現するもので、専門的にはなんというのか判りませんが筒状花も雄しべ雌しべも著しく少ないのを見つけました。雄しべ雌しべの判別はできません。ちゃんと受粉して種ができるのでしょうか。
それではちょっといろいろな花の色を見てみましょう。
黄色系もあるそうですが私は見たことがありません。いま私の庭に咲いているものだけですが見てください。
最も一般的な原種の青

ピンク


チョコレートの色(左)

薄い紫

白地に青

白地にピンク

薄いピンク地にピンク

全白

以上がいま庭に咲いているヤグルマギクです。

花の色というのはふしぎで、このブログを書くためにいろいろ調べました。
畑違いかとも思う高エネルギー加速器研究機構のサイトで花の色、
特にヤグルマギクの青についての研究が出ていました。
関心のある方はみてください。ますますふしぎが深まっていきます。

なぜ高エネルギー加速器なのかといえば、ものの構造を調べるとき何を使うかと言えばまず顕微鏡です。
しかし、いくら倍率を上げても、このときに使う光の波長によって細かく見える限界があります。
そこでさらに倍率高く見るために電子顕微鏡が考えられました。倍率を上げるため電位をあげて電子を加速します。
しかし、これにも限界があります。そこで考えられたのが高エネルギー加速器でした。
加速器を使って生物の分野では多くのタンパク質の構造が調べられ、自然のふしぎが解明されています。

https://www2.kek.jp/ja/newskek/2005/sepoct/blueflower.html