地方の一月の最初の連休には小正月の行事が行われる。普段子供の人数の数倍の子供が若い両親と共に集まる。わが家でも娘夫婦が3人の孫を連れて遊びに来た。ここ東吾妻町の古谷地区では午前中にどんど焼きの行事があり、この日多くの人が今年の初顔合わせで新年の挨拶をする。ミズキの枝にお団子を付けたものを、どんど焼きの火で焼く。スルメも吊して焼く。都会の子供は大喜びだ。地元の子供も沢山の遊び仲間ができて笑顔があふれる。夜にはどんど焼きにも増してうれしい福の神の行事がある。黄昏時になると遠くから太鼓の音が聞こえてくる。太鼓を叩きながら獅子頭が家々を回って福の神、すなわち悪魔払いの囃子詞をみんなで唱和する。おめでたいことのあった家ではお菓子や文具、雑貨などだれでも喜びそうなものをどっさり撒く。わが家では、一年のお礼をこめて毎年撒く。子供にも大人にも楽しい行事だ。30世帯を割る集落に50人くらいの人々が家々を回るのだからこれは一大行事である。
家々を回って御幣を振りながら
福の神祓い込め!
貧乏神祓い出せ!
疫病神も祓い出せ!
小判と小粒をはっこめはっこめ!
と声をそろえる。
撒かれるお菓子類は、例年はレジ袋一つでは足りず、下げる手が痛くなるほどだ。
中にはかごやザックをしょった準備のよい人もいる。
今年は撒いてくれる家が少なかったようだが
孫たちは気分よく帰ってきた。
おめでたいことがあってもなくても
行事を盛り上げ、日頃のおつきあいに感謝してして撒く。
お祭りだ。