岩井堂砦は、群馬県の小野上温泉のすぐ北の国道353脇に聳える岩山である。対岸の県道(日陰道)からは岩峰がニョキニョキと屹立していて、低いけれど登ってみたくなる山だ。先日登った名知良久山の帰りにこの山の下を通ったとき、「岩井堂登山道入口」の標識を見て、登山道があることを知った。しかしこの登山道は今回登ってみて判ったのだが、頂上に登るための登山道ではなく、昔の砦や狼煙(のろし)場を巡る登山道なのだった。しかもそれはコースの始めと、終わり近くを除いて全コース鎖の手すりのついた、家族向きコースとはいえない、けっこう危ない登山道であった。しかし、鎖と支柱はしっかりして信頼に足るものであった。岩は火山岩の凝灰角礫(ぎょうかいかくれき)岩、角張った石が出っぱっているので、ホールドにはたいへん都合がいい。この砦の北隣には、市城(いちしろ)砦南部郭(くるわ)跡というのがあり、国道脇の空き地に車を止めて登ってみた。真下の吾妻川がよく見える。このあと対岸に渡ってこの河原の二種類の岩を見た。この岩はいずれもこのあたりが湖であった大昔の岩だ。最後にこの前登った名知良久山のすぐ南の仏体山である。所要時間1時間15分。若ければ往復30分で歩ける山だ。ただ人が来ない、道がないというところと、この山塊をなんと呼べばいいのか、青山山塊?(下界から一番目立つのが青山なのだ)この山塊独特の感じがいいのだ。
この標識の30mくらい上に車が数台置ける入り口があった。国道脇の駐車場に止めたが、売店がでるシーズンになると具合が悪いらしい。ここに止めるのがいいようだ。
細くて急な鎖道を上ると展望が開ける。鎖につかまっているのに夢中で景色を見る余裕がなかった。ともいえる。
ここが砦跡らしい。
このピークの後ろが山頂らしい。
こちらは、国道のすぐ上に見える砦跡
ここ数年のうちに個人の方が整備されたらしい。たいしたものだ。
砦のすぐ上から吾妻川を見下ろす。手前の河畔の岩が枕状溶岩だそうだ。
国道から河畔に出るのにJRの線路があるので、対岸に移動して枕状溶岩を見る。これは、湖底であった頃、マグマが湖中に噴出して固まったものだ。
これは砂や泥が湖底に堆積してできた堆積岩。
仏体山にもっとも傾斜が緩く、距離が短いルート。右下の林道の屈曲部が採石場跡。 国土地理院の三角点に付けられた基準点名は「岩平」。
林道から山には入るカーブ地点の目標は標識とカーブミラー。ここから杉林に入る。なんとなく人か動物が歩いた感じが続くのでそれを拾って15分歩くと、雑木の稜線に出る。稜線の反対側は絶壁。
稜線に出ると、ここいらの山の尾根上によくある塩ビパイプの標識
尾根はプロムナードコース?と思わせるところもある。
山頂の四等三角点
ネットで見る写真では「仏体山」と書いた標識があったが、古くなって朽ちたか、あたりは倒木が多かったからなくなってしまったらしい。ビニールテープだけが残っていた。 ここから眼下の吾妻川の景色がよかった。周囲はどこも断崖絶壁の急傾斜という印象であった。
今回もありました。熊の落とし物。ちょっと古くなっています。
帰路、白砂山が美しかった。
対岸の青山に続く尾根との間はどこもすごい傾斜だ。 帰路、目標に付けた赤布が見つからずにウロウロとしたが無事愛車の軽トラにたどり着いた。